「就労移行ITスクール」と検索すると、サジェストに「怪しい」という言葉が出てきて、不安になっていませんか?
お笑い芸人のEXITを起用した明るい広告や、一般的な福祉施設とは違うポップな雰囲気を見て、「本当に就職できるのか?」「遊んでいるだけではないか?」と疑うのは無理もありません。
結論から言えば、怪しい場所ではありません。むしろ、「Webデザイン」「動画編集」「プログラミング」など、クリエイティブ領域に特化したスキルを実践的に学べる、ADHD・ASD当事者にとって相性の良いスクールです。
この記事では、実際の利用者の口コミや、競合他社(atGP、Kaienなど)との違いを「学べるスキルと就職のしやすさ」で徹底比較し、その実態を解説します。
就労移行ITスクールの評判。「怪しい」と言われる理由と実際
なぜ、福祉施設なのに「怪しい」と検索されてしまうのか。その原因と、実際のカリキュラム内容について解説します。
「福祉」のイメージを覆すブランディング
多くの就労移行支援が「静か・地味」な雰囲気であるのに対し、就労移行ITスクールは「EXIT」を公式アンバサダーに起用しています。
このギャップが、従来の福祉像を知る人々に「派手すぎる=中身がないのでは?」という誤解を与えています。
実態:Adobe認定資格や言語習得に特化したガチのカリキュラム
運営元のLOGZGROUP株式会社は、IT人材事業も手がける企業です。中身は遊びではなく、未経験からIT職種への就職を目指すための本格的なカリキュラムが組まれています。
- Webデザイン:
PhotoshopIllustratorAdobe XD - 動画編集:
Premiere ProAfter Effects - プログラミング:
HTMLCSSJavaScriptPHPPython - 資格取得: 「Adobe Certified Professional」の資格取得支援があり、履歴書に書けるスキルが身につきます。
これらを、SlackやNotionといった実際のIT企業で使われるツールを用いながら学びます。
良い口コミと悪い口コミから見るメリット・デメリッ
ネット上の評判や、サービスの特徴から見えてくる「合う人・合わない人」を整理しました。
良い評判:「自分の『得意』が見つかる」「資格が取れた」
「最初はプログラミング希望でしたが、少し触ってみて合わないと感じ、動画編集に切り替えました。色々なソフトを試せるので、自分に向いているものが分かります。」
(引用元:Googleマップ 口コミより要約)
- 選択肢の広さ: 最初から「動画だけ」と決めつけず、デザインやプログラミングも触りながら、「自分は何が得意か」を見極められます。
- 資格支援: Adobe認定資格などの受験料補助があり、未経験でも「スキルの証明」を持って就活に挑める点が評価されています。
悪い評判:「静かに集中したい人には不向き」
「利用者の同士の会話が多く、賑やかです。静かに作業したい私には環境が合いませんでした。」
(引用元:Googleマップ 口コミより要約)
- 環境: 明るくコミュニケーションが活発な雰囲気があるため、図書館のような静寂の中で黙々と作業したいASD傾向の強い方や、聴覚過敏の方には「賑やかすぎる」と感じられる場合があります。
発達障害(ASD/ADHD)に「就労移行ITスクール」が向いている根拠
なぜ、多くの発達障害当事者がここを選ぶのでしょうか。それは、特性に合わせて「戦うフィールド」を柔軟に選べるからです。
飽きっぽいADHDには「クリエイティブ」
文字のマニュアルを読むのが苦手なタイプには、動画編集やWebデザインがハマります。
Premiere Pro や Photoshop は「直感的な操作」で結果がすぐ目に見えるため、飽きずに続けられます。また、デザインから動画へ、動画からコーディングへと興味が移っても、同じ事業所内で学び続けられるのが強みです。
こだわりの強いASDには「プログラミング」
曖昧な指示が苦手なタイプには、プログラミング(PHP/Python等)が向いています。
「正解(コード)」が明確なため、精神衛生上非常に良く、1文字のミスも許さない「こだわり」がバグのないコードを書く資質として活きます。
就労移行ITスクールと他社(atGP・Kaien・Neuro Dive)の徹底比較
「ITスキル」が学べる主要な就労移行支援4社を、「具体的に何ができるようになるか」というスペックで比較しました。
| サービス名 | おすすめの選び方 | 学べる最新スキル・特徴 |
| 就労移行ITスクール | 【資格・マルチスキル】 デザインも動画もコードも触って、資格を取りたい人。 | Adobe認定資格・広範囲 ・Webデザイン ( Ps/Ai/XD)・動画編集 ( Pr/Ae)・開発 ( PHP/Python/Java) |
| atGPジョブトレIT | 【Web制作のプロ】 Webサイト制作のプロとして、制作会社に入りたい人。 | デジハリ教材・Web特化 ・Webデザイン ( Figma/Ps/Ai)・構築 ( WordPress/PHP)・動画 ( Pr/Ae) |
| Kaien | 【実務・DX】 スキルだけでなく、実務経験を積んで安定就労したい人。 | 模擬案件・業務効率化 ・Web/DTP制作実務 ・生成AI活用 ・ VBA/GAS等の業務効率化 |
| manaby | 【在宅・マイペース】 通所が辛く、自宅でコツコツ学びたい人。 | eラーニング・在宅特化 ・Webデザイン ・プログラミング ・在宅ワークスキル |
| Neuro Dive | 【先端IT・分析】 高度な分析職を目指す、ハイスペック志向の人。 | データサイエンス・AI ・ Python / R・ Tableau / SQL・高度なビジネススキル |
選び方の結論
「Web制作会社」で即戦力になりたいなら → atGPジョブトレIT
公式サイトによると、Webクリエイター養成の名門「デジタルハリウッド」と提携しており、プロ仕様の動画教材が見放題です。
単なる画像作成だけでなく、現在のWeb制作現場で必須のFigmaや、案件需要の高いWordPressの構築まで網羅しているため、Webデザイナーやコーダーとしての就職に最も近いです。
「Adobe資格」を取りたい、色々触ってみたいなら → 就労移行ITスクール
Photoshop、Illustrator、Premiere ProなどのAdobe製品スキルを証明する「Adobe Certified Professional」の資格取得に特化しています。
「プログラミングが合うか、デザインが合うか分からない」という状態でも、入所してから適性を見極められるのがメリットです。
「実務経験」と「安定」を重視するなら → Kaien
「模擬職場」というスタイルで、上司役のスタッフから指示を受け、バナー作成や動画編集を「業務」としてこなします。
スキルだけでなく、納期管理や報連相といった「働くための土台」も同時に身につくため、定着率が高いのが特徴です。
独学よりも就労移行ITスクールを選ぶべき3つのメリット
「家でYouTubeを見て勉強すればいい」と思っていませんか?
IT・クリエイティブ領域こそ、通所して学ぶべき明確な物理的メリットがあります。
「ハイスペックPC」と「有料ソフト」が無料で使い放題
動画編集やデザインには、ゲーミングPC並みのスペック(20万円〜)と、Adobe CC(月額数千円〜)が必須です。
就労移行ITスクールに通えば、これらの機材がすべて無料(※)で使い放題です。初期投資ゼロで、プロと同じ環境でスタートできます。
(※前年度収入によりますが、利用者の9割以上が自己負担0円です:出典 厚生労働省)
「資格取得」の費用免除やサポートがある
独学では全額自己負担となる「Adobe認定プロフェッショナル」や「ITパスポート」などの受験料に対し、免除や補助が出るケースがあります。
履歴書に書ける客観的なスキル証明を、負担なく手に入れることができます。
未経験からの「就職ルート」がある
独学では「実務未経験」の壁にぶつかりますが、就労移行支援には独自の「障害者枠×IT職種」の求人ルートがあります。
また、ポートフォリオ(作品集)の作成もプロがサポートしてくれるため、書類選考の通過率が段違いです。
迷っている時間はもったいない。「自分に合うスキル」は触ってみないと分からない
「プログラミングが向いているのか、デザインが向いているのか」 それは、ネットの記事をいくら読んでも分かりません。
実際にコードを書き、Photoshopで画像を加工し、動画を編集してみて、「どれが一番楽しいか」。それを肌で感じることが、適職探しの最短ルートです。
就労移行ITスクールは、最初からコースを決め打ちする必要はありません。 まずは無料見学・体験に参加し、用意されているハイスペックPCで、色々なソフトを触らせてもらってください。
「これなら飽きずに続けられそうだ」 そう思えるスキルに出会うために、まずは一歩、行動してみましょう。
就労移行ITスクールに関するFAQ
Q. パソコン初心者でも大丈夫ですか?
A. はい、問題ありません。
PCの電源の入れ方からスタートし、タイピング練習を経て、プログラミングやデザインソフトへ進む方も多いです。個別学習スタイルなので、周りを気にせず自分のペースで進められます。
Q. 30代・40代でも利用できますか?
A. 利用可能です。
年齢制限はありません。未経験からのIT職への挑戦は実力主義ですが、ポートフォリオ(成果物)の質を高めたり、資格を取得したりすることで、年齢の壁を超えるサポートを行っています。
Q. 障害者手帳がなくても通えますか?
A. 通えます(医師の診断書等があれば)。
手帳取得前の方や、申請中の方も利用可能です。自治体の判断によりますので、まずは無料相談会でスタッフに確認してみてください。