就労移行支援

就労移行支援は「手帳なし」でも使える!申請待ちの3ヶ月を有効活用する「利用条件」と手続き

「就労移行支援を利用したいが、まだ障害者手帳を持っていない」 「手帳の申請には数ヶ月かかると言われた。届くまで待つしかないのか?」

結論から申し上げますと、待つ必要はありません 就労移行支援は、障害者手帳が手元になくても、医師の判断があれば利用可能です。

多くの方が「手帳=利用パスポート」だと誤解し、手帳が交付されるまでの数ヶ月間、自宅で時間を浪費してしまっています。 しかし、適切な書類さえ用意できれば、手帳の申請中でも、あるいは診断が降りていないグレーゾーンの方でも、すぐに訓練を開始できます。

本記事では、手帳なしで利用するための「行政的な条件」と、代わりに必要となる「医師の意見書」の入手方法、そして申請前に知っておくべき注意点について、詳細に解説します。

【結論】手帳なしでも「医師の意見書(診断書)」があれば利用可能

就労移行支援を利用するための条件は、「手帳を持っていること」ではなく、「障害福祉サービス受給者証」が発行されることです。 この受給者証を発行してもらうために、必ずしも手帳は必須ではありません。

自治体が利用を認める「3つの根拠」

自治体は、以下のいずれかの書類で「支援の必要性」を確認できれば、利用を許可します。

  1. 障害者手帳(確実だが、取得に時間がかかる)
  2. 障害年金の証書(手帳と同様に証明となる)
  3. 自立支援医療受給者証、または医師の診断書・意見書

つまり、手帳がなくても、主治医に「この患者には就労訓練が必要である」と一筆書いてもらえば(意見書)、行政は利用を認めます。

「グレーゾーン」でも利用できるのか

利用可能です 「発達障害の確定診断」が出ていなくても、「発達障害の傾向があり、現に就労や社会生活に困難を抱えている」と医師が判断すれば、意見書は作成されます。 「自分は対象になるか分からない」と諦めず、まずは主治医か、希望する事業所のスタッフに相談してください。

手帳を待たずに「今すぐ」利用を始めるべき理由

「手帳が届いてから考えよう」と先延ばしにするのは、キャリア形成において大きな損失です。 なぜなら、手帳の申請から交付までには平均2〜3ヶ月、自治体によっては半年近くかかることがあるからです。

3ヶ月あれば「基礎スキル」と「生活リズム」が整う

この待ち時間を「ただの自宅待機」にするか、「訓練期間」にするかで、社会復帰の時期が大きく変わります。 3ヶ月あれば、乱れた生活リズムを整えるだけでなく、PCスキルの基礎や、資格の一つを取得することも十分に可能です。

手続きを並行して進めるのが最短ルート

最も効率的なのは、以下のスケジュールで動くことです。

  1. 見学・体験に行く(手帳なしでOK)
  2. 医師に意見書を書いてもらい、利用申請する(ここで訓練開始)
  3. 並行して手帳の申請手続きを進める
  4. 訓練中に手帳が届く → そのまま障害者枠での就活へ

これなら、空白期間を作ることなく、スムーズに就職活動へ移行できます。

手帳なしで利用するための具体的な3ステップ

実際に利用を開始するまでの手順を解説します。

STEP1. 気になる事業所へ「見学・相談」に行く

まずは手ぶらで構いません。見学時に必ず「まだ手帳はないが、利用したい」と伝えてください。 事業所のスタッフは手続きの専門家なので、「お住まいの自治体(〇〇市)なら、この書類で申請が通ります」と具体的な指示をしてくれます。

STEP2. 病院で「医師の意見書(診断書)」をもらう

主治医に「就労移行支援を利用したいので、意見書を書いてほしい」と依頼します。 この意見書は、手帳申請用の厳密な診断書とは異なり、A4用紙1枚程度の簡易的なものであることが多いです。 費用は病院によりますが、3,000円〜5,000円程度(自費)が相場です。

STEP3. 自治体の窓口に申請する

市区町村の「障害福祉課」などの窓口に申請書類を提出します。 この際、事業所のスタッフが同行してくれるケースも多いです。一人で説明するのが不安な方は、同行サポートのある事業所を選ぶと安心です。

手帳なしで利用する前に知っておくべき「注意点」と「リスク」

制度上は利用可能ですが、いくつかのハードルがあります。事前に把握しておきましょう。

自治体によって判断基準が異なる

就労移行支援の利用許可を出すのは、あくまで「市区町村」です。 多くの自治体では意見書で認められますが、稀に「原則は手帳必須」「診断書だけでは認めない」という厳しい運用をしている地域があります。 (※この場合でも、事業所が間に入って「本人の支援の必要性」を交渉することで通る場合があります)

訓練中に手帳が取れなかった場合(非該当)

訓練中に手帳申請の結果が出て、「非該当(手帳などの交付なし)」となった場合のリスクです。 この場合、就労移行支援の利用自体は続けられますが、就職活動において「障害者雇用枠」への応募はできません。 「一般枠(クローズ)」や「医師の意見書ベースでの配慮就労」を目指す形に切り替える必要があります。

制度を正しく使い、空白期間をなくそう

就労移行支援を利用するために、手帳という「形式」が整うのを待つ必要はありません。 必要なのは、「働きたい」という意思と、医師からの医学的な「後押し(意見書)」だけです。

一人で悩んで時間を過ごしてしまう前に、まずは気になる事業所の見学に行き、「手帳なしでも手続きをサポートしてもらえますか?」と相談してみてください。 専門家の助けを借りることで、明日からの生活を変えることができます。

就労移行支援 手帳なし に関するFAQ

Q. 就労移行支援を手帳なしで利用する場合、費用はかかりますか?

A. 利用料に関しては、手帳の有無に関わらず「前年度の世帯所得」で決まります。手帳がないからといって料金が高くなることはありません。ただし、申請に必要な「医師の意見書」の作成費用(数千円)は自己負担となります。

Q. 医師に「まだ就労移行支援は早い」と言われました。手帳なしで強行できますか?

A. できません。利用には「医師の意見書」が必須であり、主治医が「通所可能」と判断しない限り、自治体は許可を出しません。無理に通い始めて体調を崩しては本末転倒ですので、まずは治療に専念し、主治医の許可が出てから手続きを進めましょう。

Q. 就労移行支援を手帳なしで利用し、そのまま就職できますか?

A. 就職自体は可能ですが、「障害者雇用枠」での採用には原則として手帳が必要です。手帳なしで就職を目指す場合は、「一般枠」での応募か、障害を開示した上での「配慮あり一般枠」を目指すことになります。

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