就労移行支援

就労移行支援でエンジニアは無理?元運営が教える4職種と未経験の壁

就労移行支援で目指せるエンジニア4職種と選び方。未経験から開発職への最短ルート

「就労移行支援でエンジニアになりたい」

そう考えても、事業所によって「学べる言語」や「就職できる先」は天と地ほど違います。

ここを間違えると、「Webデザインがやりたいのに、ひたすら計算処理のコードを書かされる」、あるいは「2年通ったのに、就職先はデータ入力だった」という致命的なミスマッチが起きます。

本記事では、元運営担当の視点から、就労移行支援経由で現実的に目指せる「4つのエンジニア職種」と、それぞれの分野に強い「正解の事業所」を紹介します。

その上で、未経験から採用されるために越えなければならない「1000時間の壁」と、具体的な学習ロードマップを解説します。

あなたはどれを目指す?就労移行支援で目指せる4つの職種

エンジニアと一口に言っても、作るものや働き方は全く異なります。

「なんとなくカッコいいから」で選ぶと失敗します。自分の特性と、求人市場のリアルを知った上で選んでください。

Webフロントエンド・デザイナー(クリエイティブ)

項目内容
作るものWebサイトのデザイン、スマホ画面の動きなど「目に見える部分」
主な言語HTML/CSS, JavaScript, Photoshop/Illustrator
適性視覚的な変化を好む人、飽きっぽい(ADHD傾向)人にマッチ

運営視点での「求人のリアル」

最も人気ですが、最も倍率が高い(=就職難易度が高い)職種です。

「未経験可」の求人は少なく、就労移行支援からの就職だと、最初は「バナー制作」や「画像の切り抜き」などの下流工程から始まるケースが大半です。ここで勝ち上がるには、面接官を黙らせるレベルのポートフォリオ(作品集)が必須です。

システム開発・Web開発(バックエンド)

項目内容
作るもの業務システム、EC決済機能、社内アプリなどの「裏側の処理」
主な言語Java, PHP, Ruby, SQL
適性論理的思考が最重要。パズルを解く作業に没頭できる人(ASD傾向)にマッチ

運営視点での「求人のリアル」

求人数が最も多く、未経験からでも「SES(客先常駐)」という形で採用されやすいのがこの領域です。

まずはここで実務経験を積み、数年後に自社開発企業へ転職するのが王道のキャリアパスです。「とにかくエンジニアとして業界に入りたい」なら、JavaかPHPを学ぶのが最も安全なルートです。

インフラ・クラウドエンジニア(基盤構築)

項目内容
作るものシステムが動くための「サーバー・ネットワーク」の構築・監視
主な資格Linux, AWS/Azure, CCNA(ネットワーク資格)
適性マニュアルに沿った正確な手順や、監視業務への耐性がある人にマッチ

運営視点での「求人のリアル」

開発職に比べて「資格(CCNAやLinuC)」が評価されやすく、30代・40代未経験からでも入りやすい唯一の職種です。

最初は「夜勤あり」の監視オペレーターからスタートする場合が多いですが、その分給与は安定しており、一度スキルが身につけば食いっぱぐれません。

データサイエンティスト・先端IT(分析)

項目内容
作るものビッグデータ分析、AI予測モデル、業務自動化ツール
主な言語Python, R, Excel(VBA)
適性高度な数学・統計知識が必要。特定分野への過集中(研究肌)が才能になる

運営視点での「求人のリアル」

完全に「実力主義」です。中途半端な知識では通用しません。

しかし、「Neuro Dive」などの特化型事業所で高度なスキルを身につければ、障害者枠でも年収500万〜600万クラスのオファーが出る、夢のある職種です。一般事務とは別次元の待遇が待っています。

【職種別】エンジニアを目指すための「最適解」となる就労移行支援

目指すゴールが決まったら、次はそのための「手段(事業所)」選びです。

「どこでも学べる」わけではありません。その職種の「就職パイプ」を持っている場所を選んでください。

Web・デザイン系なら「atGPジョブトレIT」

デジタルハリウッドと提携したプロ仕様の動画教材を使用。

なぜWebに強いかというと、運営母体がクリエイティブ職の求人を多数保有する転職エージェントだからです。デザイナーやフロントエンドエンジニアを目指す人に最適です。

開発・インフラ・資格取得なら「就労移行ITスクール」

プログラミング(Java/PHP等)に加え、資格取得支援が手厚いのが特徴。

特に「インフラ系資格(CCNA等)」の対策講座がある数少ない事業所です。コツコツとバックエンドスキルやインフラ知識を磨き、手堅く就職したい人に適しています。

先端IT・データ分析なら「Neuro Dive」

AIや機械学習など、高度なITスキルに特化した事業所。

企業のDX推進部門などのハイクラス求人と連携しており、「一般枠以上のスキル」を身につけて高収入を狙いたい人には唯一無二の選択肢です。

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就労移行支援からエンジニア就職するための「条件」

目指す場所が決まったら、次は「どうすれば採用されるか」です。

「通えば就職できる」と思っていると痛い目を見ます。企業が求めているのは、以下の2点だけです。

「1000時間」の学習と「成果物」

「学習すれば誰でもなれる」わけではありません。企業は即戦力に近い人材を求めています。

一般的に、エンジニア就職には約1000時間の学習が必要と言われます。そして、ただ勉強するだけでなく、「自分はこんなアプリを作れます」と証明できる「ポートフォリオ(成果物)」を必ず用意してください。これがないと、書類選考すら通りません。

年齢とキャリア戦略

エンジニア転職は「30歳前後」が一つの壁と言われます。

  • 20代〜30代前半: 十分に開発職(プログラマー)を狙えます。
  • 30代後半〜40代: いきなり開発職はハードルが高いため、まずは「テストエンジニア」や「インフラ運用監視」として業界に入り、そこで信頼とスキルを積み上げてからキャリアアップするルートが現実的です。高望みをして玉砕するより、まずは業界に入り込むことを優先してください。

未経験から就職するための「学習ロードマップ」

上記の厳しい条件をクリアするためには、長期的な計画が必要です。

就労移行支援の利用期間(最長2年)を有効活用し、以下のステップで実務レベルまで引き上げます。

基礎学習と生活リズムの確立(1〜3ヶ月)

まずは「毎日通う」ことで体力をつけながら、Progateや事業所の教材で基礎文法を学びます。

  • 目標: HTML/CSSやJavaの基本構文を理解し、見本通りのコードが書けるようになる。

模写コーディングとGithubの導入(3〜6ヶ月)

既存のサイトやシステムを真似して作る「模写」を行います。同時に、実務で必須となるバージョン管理ツール「Git/Github」の使い方を覚えます。

  • 目標: 既存サイトをゼロから再現できる。コードの変更履歴を管理できるようになる。
  • 挫折ポイント: ここで「エラーが解決できない」と辞める人が一番多いです。講師を使い倒して乗り越えてください。

チーム開発とオリジナル制作(6ヶ月〜1年)

ここが独学との分岐点です。他の利用者とチームを組み、役割分担をして一つのシステムを作ります。その後、就活用の「ポートフォリオ(オリジナル作品)」制作に入ります。

  • 目標: 他人が読めるコードを書く。面接で「なぜこの技術を使ったか」を説明できる成果物を完成させる。

企業実習と就職活動(1年〜)

完成したポートフォリオを武器に、提携企業への実習や面接に挑みます。

  • 目標: 実務の中で自分のスキルが通用するか確認し、エンジニアとしての内定を獲得する。

障害者雇用におけるIT職の「年収」と「働き方」

苦労してスキルを身につけるだけの価値は、待遇面に明確に表れます。

年収:スキル次第で昇給が可能

未経験スタートの場合、初年度の年収は250万〜350万円程度が相場ですが、これはあくまでスタートラインです。

一般事務職は給与が固定されがちですが、エンジニアはスキルアップに応じて評価されるため、経験を積めば400万〜500万円を目指せる将来性があります。「手に職をつける」とは、給与交渉権を持つことと同義です。

働き方:リモートとチャット文化

最大のメリットは環境です。多くのIT企業で在宅勤務(リモートワーク)が導入されており、コミュニケーションもSlackなどのチャットツールが主体です。

「電話が苦手」「対面での会話が疲れる」という特性を持つ方にとって、これ以上ない働きやすい環境が整っています。

【結論】正しい「場所」を選べば、未経験でも道は開ける

就労移行支援からエンジニアになることは可能です。

ただし、それは「なんとなく通った人」ではなく、「自分の適性に合った職種を選び、適切な事業所で成果物を作りきった人」だけが得られる結果です。

まずは自分が「Web系」なのか「システム系」なのか、あるいは「インフラ系」なのか。

各事業所の無料相談や体験利用を通じて、適性を確認することから始めてみてください。

方向性が決まれば、あとはロードマップに従って学習に没頭するだけです。

就労移行支援とエンジニアに関するFAQ

Q. 数学が苦手でもプログラマーになれますか?

A. 分野によりますが、基本的にはなれます。

Web開発や業務システム開発であれば、高度な数学知識は不要です。それよりも「論理的思考(AならばBになる)」や「国語力(仕様書を正しく読み解く力)」の方が重要視されます。ただし、AI・データサイエンス分野では数学が必須です。

Q. 30代・40代未経験からでも目指せますか?

A. 可能ですが、戦略が必要です。

20代に比べるとハードルは上がります。開発職(プログラマー)への直接就職は難易度が高いため、まずは「テストエンジニア」や「インフラ運用監視」としてIT業界に入り、そこでスキルを磨いてキャリアアップするルートが現実的です。

Q. MacとWindows、どちらを覚えるべきですか?

A. 志望業界によります。

一般的に、Web系企業はMac、業務システム・インフラ系はWindowsを使うことが多いです。就労移行支援事業所では両方用意されていることが多いので、志望する業界に合わせて選びましょう。迷ったら、求人数の多いWindowsから慣れておけば間違いありません。

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