就労移行支援

就労移行支援でパソコンスキルを習得!事務・Web職への学習内容とPC貸出の裏事情

就労移行支援でパソコンスキルを身につけて事務・Web職へ。学習内容とPC貸出について

「体力仕事はもう無理だ。パソコンを使って座って仕事がしたい」

「でも、スキルがない自分に何ができるんだろう? PCを買うお金もない…」

障害や体調不良を抱える方にとって、体に負担の少ないデスクワークは命綱となる働き方です。

しかし、一言に「パソコン作業」と言っても、「誰でもできるデータ入力(最低賃金)」と「専門的な事務・Web制作(安定収入)」では、待遇に天と地ほどの差があります。

就労移行支援は、パソコンスキルをゼロから学べる場所ですが、「どこまで学べるか」や「機材のスペック」は事業所によって全く違います。

本記事では、元運営担当の視点から、初心者がパソコンスキルを習得して就職するためのステップと、気になる「無料貸出」の裏事情、そして「稼げるスキル」が身につく事業所の選び方を解説します。

就労移行支援でパソコンスキルを学ぶべき「3つのレベル」

「パソコンが使える」の定義は広すぎます。

厳しいことを言いますが、20代〜30代なら「レベル1」で満足してはいけません。 それは「作業」であって「仕事」ではないからです。

レベル1:【基礎】タイピング・基本操作

項目内容
学習内容電源の入れ方、ブラインドタッチ(キーボードを見ずに打つ)、Zoom(ビデオ会議)の使い方
目指せる職種軽作業、データ入力
想定年収最低賃金レベル(パート・アルバイトが多い)

元運営担当の裏事情

ここをゴールにしないでください。給与はほぼ最低賃金です。

運営側から見ても、このレベルの求人は「誰でもいい枠」であり、AIの進化で真っ先に消える仕事です。将来性はありません。

レベル2:【事務】Word・Excel・PowerPoint(MOS)

項目内容
学習内容文書作成、表計算、関数(VLOOKUPなどのデータ検索機能)、プレゼン資料作成
目指せる職種一般事務、営業事務
想定年収200万〜300万円(一般枠・障害者枠)

元運営担当の裏事情

多くの人がここを目指しますが、障害者雇用の事務職は「超・激戦区」です。

WordやExcelが使える人はごまんといます。ここで採用を勝ち抜くには、プラスアルファの武器がないと買い叩かれます。

差がつくスキル:「RPA」とは?

「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」とは、人間がやっていたコピー&ペーストなどの単純作業を、ロボットに記憶させて自動化する技術のことです。

プログラミングより簡単で、事務職の現場では「業務効率化ができる人」として重宝されます。これを知っているだけで評価が変わります。

レベル3:【専門】Webデザイン・動画編集・IT資格

項目内容
学習内容Photoshop(画像加工)、Premiere Pro(動画編集)、Java(システム開発言語)
目指せる職種Webデザイナー、動画編集者、ITエンジニア
想定年収300万〜500万円以上(スキル次第で昇給あり)

元運営担当の裏事情

「手に職」と言えるのはここからです。

専門職として評価されるため、給与交渉が可能になります。未経験でもここを目指せる環境(特化型事業所)を選ぶのが、将来の年収を上げる唯一のルートです。

パソコンは買わなくていい。「PC貸与」と「持ち込み」の真実

「訓練のためにPCを買うお金がない」という心配は無用です。

しかし、「どんなPCを貸してくれるか」で、その事業所の「本気度」が分かります。

原則、一人一台「PC無料レンタル」がある

ほぼ全ての就労移行支援事業所で、訓練用のパソコンは無料で貸し出されます。

Officeソフトはもちろん、Adobe(デザイン用の高額ソフト)などもインストール済みです。自分で買う必要はありません。

ボロPCや「低スペック」を使わせる事業所はハズレ

ここが重要なチェックポイントです。見学時には以下の点を必ず確認してください。

  • PCの動作速度: ブラウザやAdobeソフトを開いて、作業が重くならないか?
  • モニターの大きさ: 外部モニター(サブディスプレイ)の貸し出しはあるか?

クリエイティブや事務を本気で教える気がある事業所は、「実務に耐えうるPCスペック」や「作業効率を上げるためのモニター環境」を整えています。 起動に何分もかかる古いPCや、小さな画面一つしか与えない事業所は、あなたを「高度な人材」にする気がありません。ただの軽作業員を量産するつもりです。

「Mac」を使いたいなら場所が限られる

日本のオフィスの9割はWindowsです。そのため、総合型事業所にはWindowsしか置いていないことがほとんどです。 デザインやWeb制作のためにMac(Apple製のパソコン)を使いたい場合は、必ず「Web・IT特化型」の事業所を選ばなければなりません。

目的別・パソコン習得におすすめの就労移行支援

「事務でいいや」ではなく、「稼げる事務・クリエイター」になるための事業所を厳選しました。

各社の「基本データ」と、元運営視点で見る「ここを選ぶべき理由(メリット)」を解説します。

【事務・Office】LITALICOワークス(リタリコ)

項目データ
強み業界No.1の就職実績と企業パイプ
主なOSWindows
習得ツールWord, Excel, PowerPoint (MOS対応)
学習スタイル集合研修 + 個別学習

元運営担当の分析

ここの強みは「カリキュラム」以上に、「圧倒的な企業とのパイプ(就職実績)」です。

事務職は激戦区だと述べましたが、LITALICOには大手企業からの「事務職の非公開求人」が集まります。「スキルはMOSレベルでいいから、とにかく大手で安定して働きたい」という戦略を取るなら、個人のスキルアップよりも、この「ブランド力」に乗っかるのが正解です。

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【Webデザイン】atGPジョブトレIT

項目データ
強みプロ養成スクール「デジハリ」と提携
主なOSMac / Windows
習得ツールPhotoshop, Illustrator, HTML/CSS
学習スタイル動画教材 + チーム制作(模擬案件)

元運営担当の分析

ここの最大のメリットは、通常なら数十万円かかる「デジタルハリウッド(プロ養成スクール)」の教材を、福祉サービスとして無料で利用できる点です。

独学では習得が難しいPhotoshopやIllustratorを、プロと同じ環境(Mac完備)で学べます。「無料で専門学校に通う」感覚でお得に使い倒すべき場所です。

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【在宅・eラーニング】manaby(マナビー)

項目データ
強み独自eラーニングで見放題・在宅特化
主なOSWindows / Mac(拠点による)
習得ツールOffice, Webデザイン, Unity, CADなど
学習スタイル完全個別学習(在宅OK)

元運営担当の分析

ここの最大の価値は、「完全在宅」で未経験から就職まで完結できる点にあります。

多くの事業所が「原則通所」である中、ここは最初から在宅ワークを目指せます。人間関係のストレスをゼロにして、自宅という安全地帯でPCスキルの習得だけに集中できる、対人不安がある人にとっての唯一の正解です。

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【機材貸与・動画編集】CONNECT(コネクト)

項目データ
強みPC・Wi-Fiの無料貸し出し制度あり
主なOSWindows
習得ツールPremiere Pro, Office, ライティング
学習スタイル個別学習(在宅OK)

元運営担当の分析

ここの真価は「PCとWi-Fiの無料貸し出し」にあります。

「PCを買うお金がないからスタートできない」という貧困のトラップを、物理的に解決してくれます。経済的に厳しい状況からクリエイターを目指すなら、迷わずここを選んで機材を借りてください。

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【資格取得】就労移行ITスクール

項目データ
強み資格試験対策に特化したカリキュラム
主なOSWindows
習得ツールJava, Python, PHP, MOS, Adobe
学習スタイル個別ブース学習

元運営担当の分析

ここの強みは「資格試験への特化」です。

実務経験がない未経験者にとって、資格は唯一の武器です。JavaやPython、MOSなどの資格取得カリキュラムが体系化されているため、独学だと挫折しがちな「勉強のペースメーカー」として利用するのが最適です。

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【結論】PCは「ただの箱」。重要なのは「何を作るか」

「パソコン教室」のように、操作方法だけを習っても仕事にはなりません。

重要なのは、そのPCを使って「企業の利益になるアウトプット(見やすい資料、綺麗なデザイン、動くプログラム)」が出せるようになることです。

「未経験だから」と怖がらず、どうせ通うなら、市場価値の高いスキルが身につく事業所を選んでください。

まずは見学に行き、「自分が使いたいソフト(ExcelやPhotoshop)がインストールされたPCがあるか」を実機で確認することから始めましょう。

就労移行支援のパソコンに関するFAQ

Q. 家にパソコンがなくても、在宅訓練はできますか?

A. 可能です。

多くの事業所で、在宅訓練用のノートPCやWi-Fiルーターの貸し出しを行っています。ただし、貸出台数には限りがあるため、見学時に「在宅希望で、機材貸与が必要」と必ず伝えてください。特にmanabyやCONNECTなどは在宅支援に積極的です。

Q. 「パソコンがもらえる」就労移行支援があると聞きました。

A. 詐欺か、極めて稀な例です。

原則として「もらえる(譲渡)」はありません。それは誇大広告か、非常に稀なキャンペーンの可能性があります。基本は「貸与(レンタル)」であり、卒業時には返却が必要です。PC目当てで事業所を選ぶと、肝心の就職支援がおろそかになるため注意してください。

Q. MacとWindows、どちらを覚えるべきですか?

A. 特段のこだわりがなければ「Windows」です。

一般企業の事務職やエンジニア職の9割はWindowsを使用しているため、就職の選択肢が圧倒的に広いです。Macは「Webデザイン」「映像制作」などの特定分野を目指す場合のみ選びましょう。

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